教員の退職金はいくら?退職手当の簡単なシミュレーション
退職を見据えたときに必ず気になることが
「退職金どれくらいもらえるのかな?」
今やめたらどれくらいもらえるのか気になるよね。
年数による違いも知りたい!
2024年3月、教職と子育ての両立に悩み、退職。
現在は専業主婦。
教員を退職した経験についてや、小1娘の日々の子育ての色々での気づきをつづります。
読者の方にとって有益な情報となるようにわかりやすくまとめていきたいと思います!
本記事では、
- 教員の退職金に関する基本的な情報
- 計算方法
- 実際に受け取る金額の目安
- 振り込みのタイミング
を詳しく解説します。
退職をする前に、自分がいくらもらえるのか知っておくことはとても大事です。
退職金はいくら?もらえるかどうかの条件は?
教員が退職金がもらえるかどうか?
は以下のことが関係してきます。
公立か私立かによって違う
公立の教員は退職手当が支給されます。
私立の場合は支給の有無や、どれくらいもらえるのかが学校によって規定されていますの確認が必要です。
支給されない場合がある
公立の教員でも以下の2つにあてはまる場合は退職手当が支給されません。
- 在職期間が6ヶ月未満の場合
- 懲戒免職の場合
懲戒免職になるとどれだけ長く働いても
退職手当ゼロだから気をつけないとね。
不祥事で懲戒免職になって
退職手当もらえなかった校長もいたよね。
退職手当はいくら?計算するための3つの要素
退職金の額は、主に次の3つの要素によって決まります。
- 勤続年数
- 退職理由
- 退職時の給料の月額
これらの要素を以下の式にあてはめて退職手当の額が決定します。
退職手当=退職時の月給 ❌ 勤務年数と退職理由に応じた支給率
支給率の早見表
総務省によれば、地方公務員の退職手当は、地方公共団体が決めることになっています。
地方公務員の退職手当については、地方自治法第204条第2項及び第3項の規定により、各地方公共団体の条例により定めることとされている。
総務省 地方公務員の退職手当制度について https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/komuin_taishoku/pdf/071221_1_si7.pdf
退職手当の制度は、国家公務員の退職手当法に準ずることとなっています。
そのため、多くの自治体が勤務年数や退職理由による支給率は、国家公務員の支給表を参考にします。
国家公務員の制度等に準じることとなっており、総務省では、国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)に準じて「職員の退職手当に関する条例案」(昭和28年9月10日自治丙行発第49号自治庁行政部長通知)(以下、「条例案」という。)を作成し、各地方公共団体に示しているところである。
総務省 地方公務員の退職手当制度について https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/komuin_taishoku/pdf/071221_1_si7.pdf
国家公務員の退職手当支給率の表は内閣官房 国家公務員退職手当支給早見表から参照することができます。
私の退職手当の場合も、この表と同じ割合で計算されていました。
育休取得した人は勤続年数に注意!
育児休業を取得していた場合、その期間の3分の1が勤続期間から除かれます。
これにより、通常子どもが1歳になるまでの1年間の育休の期間はは4ヶ月の勤続期間と計算されます。
1年に満たない勤続期間は切り捨てになる自治体が多いようですが、6ヶ月を超えると1年に換算する場所もあります。
所属する自治体の決まりを確認すると良いでしょう。
勤続期間の計算 その期間の1/3が除算となるもの
公立学校共済組合 退職手当https://www.kouritu.or.jp/wakayama/content/files/about/book/04_69-70_72-73.pdf
・育児休業(子が1歳に達した月まで。ただし、育休期間の終期が平成4年4月1日以降のものに限る。)
・育児短時間勤務
例えば教員歴12年だとしても、その間1年間の育児休業をとっていた場合、勤続年数は11年4ヶ月の計算となります。
1年に満たない部分は切り捨てられるとすると、勤続年数は11年となります。
今辞めたらもらえる退職金はいくら?
さきほどの表を元に、いくつかの例をあげ退職手当のシミュレーションしてみましょう。
定年まで働いた場合
退職手当=退職時の月給 ❌ 勤務年数と退職理由に応じた支給率
という計算でした。
例えば、退職者が、
勤務年数:43年
退職理由:定年退職
退職時の給料の月額:45万
とします。
退職手当=
45万(退職時の月給)✖️47,709(勤続43年で定年退職の支給率)
=21,469,050円
となります。
定年まで働くと2000万以上の退職手当がもらえることになりますね。
総務省のデータでは、令和5年度の60歳定年退職者の退職手当平均支給額の平均は21,182,000円でした。(総務省 給与・定員等の状況調査結果等https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/teiin-kyuuyo02.html)
2000万越えだねえ。
10年働いて自己都合で退職した場合
つぎに自己都合退職の場合もシュミレーションしてみましょう!
勤務年数:10年
退職理由:自己都合
退職時の給料の月額:30万
とします。
退職手当=
30万(退職時の月給)✖️5.022(勤続10年で自己都合退職の支給率)
=1,506,600円
およそ150万くらいですね!
定年退職との差がすごい…。
15年働いて自己都合で退職した場合
続いて15年働いた場合をみてみましょう!
勤務年数:15年
退職理由:自己都合
退職時の給料の月額:35万
退職手当=
35万(退職時の月給)✖️10,3788(勤続15年で自己都合退職の支給率)
=3,632,580円
10年のときは150万で15年で360万…。
5年違うだけで結構な増加率…。
あくまで例ですが、このようなかたちで計算します。
調整額について
実は退職手当にはもう一つプラスされるお金があります。
それが調整額と言われるものです。
調整額は、在職期間中の貢献度に応じた加算額であり、基礎在職期間初日の属する月から末日の属する月までの各月毎に、当該各月にその者が属していた職員の区分に応じて定める額(調整月額)のうち、その額が多いものから60月分の調整月額を合計した額です。
人事院 退職手当制度の概要https://www.jinji.go.jp/seisaku/kyuyoshogaisekkei/top/taite1-1.html
働いていた時の号級の区分によって支給額が変わります。
号級は勤続年数と共に上がっていくものです。
また、大卒か院卒かによっても変わってきます。(参照:公立学校共済組合 退職手当等の概要 https://www.kouritu.or.jp/fukushima/01_taisyokuteate.pdf)
該当の号級に応じた
調整月額❌60ヶ月分
がプラスされます。
ただしここで注意!
以下に当てはまる場合は調整額が支給されません。
- 勤務年数が9年以下の自己都合退職者
「自己都合で9年以下」だと調整額はゼロってびっくり!
また、以下に当てはまる場合調整額は計算した額の2分の1です。
- 勤続4年以下の退職者(自己都合退職者以外)
- 10年〜24年の自己都合退職の場合
ここでも自己都合は大幅減の対象に。
実際私は勤続10年を超えていて自己都合退職だったのですが、調整額で約70万支給されていました。
9年以下だとこれがゼロなので、9年と10年以上の退職手当の差は大きいなと思いました。
もし9年目で退職を考えている人は、
あと1年待った方がいいかも…
退職手当はいつ振り込まれる?
退職金の振り込み時期は、退職月の翌月末が一般的です。
私は3月退職でしたので、振り込まれたのは4月下旬でした!
まとめ退職金はいくらかは計算できる!
今回は教員の退職手当についてまとめました。
退職手当の計算は以下の通りです。
- 退職手当=退職時の月給 ❌ 勤務年数と退職理由に応じた支給率
特に、自己都合の場合は支給率が低くなりますので注意!
さらに、これにプラスされる調整額ですが注意点は以下の通りです。
自己都合での退職で勤続年数9年以下は支給されない
退職手当は退職後の生活設計に大きく影響しますよね。
事前にある程度把握することで、安心して退職を迎えたいですよね。
所属する自治体の最新の情報を確認し、自身の退職計画をしっかり立てていきましょう!