現金払いだけの店は安い?現金のみにする理由とは?
最近、近所にできたドラックストア「コスモス」に行ってみたところ、「現金払いしかできません」との張り紙が!
「Paypay使えないの?」
「クレジットも使えないの?」
「なぜ?」
と思う人も多いのでは?
私は普段スマホを使ってキャッシュレス決済をすることが多いので、財布を持ってきたか一瞬焦りました。(無事、持っていました^^;)
キャッシュレス決済の波にあえて乗らずに現金のみにこだわるのはなぜでしょうか?
現金払いだけの店が安い理由とは?
さきほどのコスモスですが、商品が安いことが話題になっていました。
たしかに他店より安い商品が多くある印象でした!
なぜ、現金払いのみにすると安いのでしょう?
現金払いがもたらすコスト削減
現金払いのみにすると、店側は以下の費用をコストカットできます。
- キャッシュレス決済導入初期費用
- キャッシュレス決済手数料
- キャッシュレス決済利用料
キャッシュレス決済を導入すると、店側がさまざまな費用を持たなければなりません。
一方、現金のみであれば、キャッシュレス決済の手数料がかからず、その分商品を安く提供できるということです。
コストカットして、客に商品の安さで還元するんだね!
決済手数料はどれくらい?
キャッシュレス決済の手数料は一般的に3%前後です。
キャッシュレス決済を導入した加盟店は、クレジットカード会社や決済サービス会社に手数料を支払います。金額は決済の種類によって異なりますが、決済額の数パーセント程度で、現在は3%前後が一般的です。
ただし、キャッシュレスにもいろいろな種類があり、その種類によっても手数料が変わります。
クレジットカード決済 | 4〜7% |
電子マネー決済 | 3〜4% |
QRコード、バーコード決済 | 0〜3% |
クレジットカード決済の手数料が一番高いんだ…
たとえば、客が1000円の商品をクレジットカードで購入すると、そのうちの4〜7%、つまり40円〜70円の手数料を店は払う必要があります。
コスモスなどのお店では、この手数料がかからないように現金専用にしているのです。
現金しか使えない店は他にもある?
現金払い専用の店舗
最初にあげたドラッグストアコスモス以外に、スーパーのロピアもほぼ全ての店舗で現金のみの対応をしています。
ロピアもキャッスレス決済の手数料負担を避け、その分商品の価格を他店よりも安く提供するねらいです。
他にも、個人経営のレストランなどの中・小規模商店では、キャッシュレス決済の手数料負担を避けるために、現金のみで会計対応する店はいまだに多いようです。
現金払いのみのメリットデメリット
「現金払いのみ」を採用した場合のメリットとデメリットについて、店舗の視点からまとめまてみます!
① 現金払いのみのメリット
メリットとしては、手数料のコストカット以外にもさまざまな要素が考えられます。
手数料のコストカット
さきほどもまとめたように、各種決済サービスへの手数料を回避することで、経費を削減でき、利益を守ることができます。
特に、小規模な店舗にとっては大きなコスト削減につながります。
会計方法がシンプル
現金払いのみの場合、レジでの会計が単純化されます。
クレジットカードや電子マネーの読み取り、端末のトラブル対応などが不要となり、会計のスピードが早くなります。
また、スタッフのトレーニングも短縮されるため、業務効率UPにつながることも。
キャッシュフローの改善
現金払いでは、売上が即座に手元に入るため、キャッシュフローが安定します。
クレジットカード決済では、実際の入金までに数日から1週間程度の遅延がある場合がありますが、現金の場合はその心配がありません。
システムダウンの影響を受けない
キャッシュレス決済は、端末の故障や通信障害などでシステムダウンが発生した場合、決済ができなくなるリスクがあります。
地震などの自然災害時に、現金しか使えなかったというニュースを聞いたことがあるかもしれません。
現金払いならそういったリスクを避けることができます。
② 現金払いのみのデメリット
メリットもあればデメリットもありますよね。
顧客獲得の機会損失の可能性
最近では、キャッシュレス決済を好む消費者が増えています。
現金払いのみだと、キャッシュレス決済しか持たない、または使いたい人を取り逃してしまう可能性があります。
現金しかダメと言われて会計時に慌てたという経験がある人は多いのではないでしょうか。
特に若い世代や外国人観光客にはキャッシュレス決済が一般的であるため、こうした層をターゲットにしたい場合、機会損失の可能性は高くなります。
現金管理の負担とセキュリティリスク
現金のみを扱う場合、日々の売上管理や入金作業が必要になります。
さらに、現金の取り扱いは盗難や強盗などのリスクも伴うため、セキュリティ対策が不可欠です。
ただし、これは、キャッシュレスと現金を両方扱っている店舗も同様にリスクがありますね。
時間のかかる釣銭管理
現金払いでは、客側が現金を用意したり、店側が釣銭を用意するのに時間がかかる場合があります。
特にピーク時には、現金管理がスムーズにいかないと、レジの行列が長くなる原因にもなります。
これにより、顧客満足度が下がってしまうことも考えられますね。
コロナ禍での衛生面への懸念
新型コロナウイルスの影響で、現金を介した取引は感染リスクがあると考えられるようになりました。
コロナ禍でキャッシュレス決済を導入した店も多くありましたね。
消費者側もこれを機に、キャッシュレス決済をメインに切り替えた人も増えました。
日本における現金利用の実態は?
現金の普及率とキャッシュレスの割合
経済産業省によると2023年のキャッシュレス決済比率は、39.3%です。
(引用元:経済産業省「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」)
日本は高齢者が多く、現金を使うことへの信頼が厚く、カードやスマホ決済の普及は限定的といえます。
コスモスやロピアはこうした人々をメインターゲットにしているのかもしれません。
一方で、都市部や若い世代を中心にキャッシュレス決済が徐々に浸透しています。
クレジットカード、デビットカード、スマホ決済(PayPayやLINE Payなど)の普及が進んでいますが、特に中小規模の店舗や地方では、現金決済が依然としてメインです。
信用度の高い現金
日本では、現金そのものに対する信頼が非常に高いことも特徴的です。
日本の紙幣や硬貨は偽造防止技術が非常に進んでおり、偽札や偽造硬貨のリスクが他国に比べて極めて低いです。
また、歴史的にも金融危機や経済不安が少なかったため、人々は「手元にある現金」に対する安心感を強く持っています。
このような背景から、日本では現金を「確実な支払い手段」として支持する人が多く、特に高齢者層ではその傾向が高いです。
海外に比べて高いキャッシュレス決済手数料
日本におけるキャッシュレス決済の普及が他国に比べて遅れている要因の一つとして、日本のクレジットカードや電子決済にかかる手数料の高さが挙げられています。
例えばクレジットカード決済の場合、日本では3〜5%が相場ですが、海外では1%前後の国が多い傾向にあります。
このような背景から、コスモスやロピアのような戦略が成り立っているのだと言えるでしょう。
現金払いだけの店が安い理由のまとめ
現金払いのみにすると、店側にとってキャッシュレス決済の手数料がかからないというメリットがあります。
さらに、コスト削減した分、商品を安く提供できるということで、顧客にとってもメリットがあります。
キャッシュレス化を推進する日本で、あえて現金のみを扱うことによるメリットに注目したのがドラッグストアコスモスやスーパーのロピアなのですね。
しかし、政府としては、キャッシュレスを推し進めているため、今後これらの企業がどのように対応していくのかは注目したいところです!